カーマッチマガジン
1990年代の日本車がアメリカで人気の理由〜25年ルールとは
2020/06/29
1990年代を代表する車といえば、日産のスカイラインGT-R(R32/R33)やトヨタのスープラ(A80)などが挙げられる。最近はこれらを中心とした1990年代の中古車価格の上昇が止まらない。すでに生産されていないことで、国内の在庫が少なくなってきているのが理由だが、それだけではない。
アメリカの規制緩和措置、いわゆる「25年ルール」によって、特定の車種においてアメリカ国内での日本車人気が高まっているのだ。特定の車種に限定されるのはなぜだろうか? またフランスなどの他国の車でも日本車と同じように、1990年代の車がアメリカで人気となっている現象が起こっているのだろうか? 人気の理由とともに、くわしく解説していこう。
ネオクラシックカーの仲間入りとなる「25年ルール」とは?
まずは25年ルールを説明していく。アメリカでは製造から25年が経過した車はクラシックカーに認定される。これが俗に言う「25年ルール」で、新車では義務となっている安全基準や排ガス規定の適用が、一部免除されるという仕組みだ。
そのため25年を経過した車の輸出入ができるようになったことで、1990年代の日本車も輸出が可能になっている。
このルールは1980年代後半に生まれたものだが、アメリカでの需要も相まって、日本の中古車市場へも影響を与えているというわけなのだ。たとえば2020年であれば、1995年式の日本車がアメリカにおいてクラシックカーに認定される。クラシックカーとはいえ、年式としてはものすごく古いというわけでもない。そのため1990年代の車は程よく古いという意味で、ネオクラシックカー(通称:ネオクラ)と呼ばれている。
日本車の改造が流行した1990年代後半のアメリカ
車好きの方なら、2001年に公開されたアメリカ映画「ワイルド・スピード(原題:The Fast and the Furious )」を観たことがあるだろう。1990年代のアメリカの社会情勢がドキュメンタリータッチで描かれている作品で、数々の日本車が登場することでも知られている。2001年の第1作目からシリーズ化されており、2020年には最新作の公開も控えているという人気の映画だ。
アメリカでは郊外に住んでいれば、車を複数台持つのはごく一般的なことで、さらに長い間乗り続ける人が多い。若い世代でも、親がかつて使っていた車を譲り受けて通勤や通学に使うというのは、決して珍しいことではない。譲り受けた中古車をカスタマイズして乗っている若者もいる。
アメリカ西海岸では1997年ころから、ホンダのシビックをカスタマイズした車が目立つようになった。といってもローダウンしたりマフラーを改造する程度で、このころは日本車を改造すること自体はまだマイナーだった。そう、ワイルド・スピードで描かれたような情景は、実際に起こっていたのである。
ジェネレーションXがおもなユーザー
1965〜1980年生まれの世代はジェネレーションXと呼ばれるが、ワイルド・スピードではこの世代の一般ユーザーが、愛車と一緒に出演していた。ジェネレーションXの世代は2020年の今、40〜50歳くらい。この世代がアメリカで1990年代の日本車を購入しているおもなユーザーなのだ。
日本車のカスタマイズがブームになるまでは、日産のフェアレディZやマツダのRX-7がコレクターの間では主流であったが、ジェネレーションX世代ではこれらは主流ではないようだ。
25年ルールをふまえての一番人気は、日産のスカイラインGT-R。中でもR32〜34が人気だ。同じ日産ではシルビアも需要がある。
トヨタなら断然80スープラ。もともと80スープラは正規輸入車としてアメリカでも販売されており、それなりに人気があったことも需要が高い理由だ。三菱のランサーエボリューション(通称:ランエボ、エボ)も、正規輸入車のため需要があるほか、エボ以前のモデルもアメリカでは高い関心がある。
フランスやイタリアなどの車でも25年ルールを適用するが、各国のクラシックカーが日本車と同様に「人気があり高値になる」という状況にはなっていないようだ。
車種も豊富なカーマッチの自社ローン
1990年代の日本車がなぜアメリカで人気なのか、ご理解いただけただろうか。この現象からも、少なからず日本国内におけるネオクラシックカー市場へも影響を及ぼしていることは間違いない。
カーマッチではさまざまな車種を取り扱っており、自社ローンで買える車種の幅も広がっている。車の購入方法として、今までは自動車ローンやリース、残クレが主流であったが、今後は審査に通りやすい自社ローンを取り扱う販売店も増えるだろう。快適で楽しいカーライフのために、ぜひカーマッチの自社ローンを検討していただきたい。