今日も誰かが笑った ―― カーマッチ滋賀守山店

四月、右も左もわからないまま

四月一日。私は今日から、カーマッチ滋賀守山店のスタッフになった。名前は仮に「私」としておく。就職活動の最後の最後で、この店の求人を見つけたときのことを、今でもよく覚えている。「完全予約制の中古車販売店」「自社ローン・信用回復ローンに強い」――正直、最初は仕組みがよく分からなかった。

初出勤の朝、店長の野中さんに挨拶をすると、開口一番にこう言われた。

「今日からよろしく。うちは車を売る店だけど、本当に大事なのは、車を売ることじゃない。目の前のお客様の暮らしを、少しでも楽にすること。それだけは忘れないでほしい」

正直なところ、その言葉の意味を、私はまだ半分も理解していなかった。展示スペースに並ぶ車の名前を覚えるだけで精一杯だった最初の一週間。予約表を見れば、守山市はもちろん、栗東市、草津市、大津市、長浜市、東近江市、甲賀市、湖南市――県内あちこちから、来店予約が入っていることに驚いた。

「なんでこんなに遠くから、わざわざうちに?」

先輩スタッフに聞くと、こう返ってきた。

「自社ローンとか信用回復ローンって、扱ってる店が意外と少ないんだよ。頭金なしから相談できるところとなると、なおさら。だから、多少遠くても『ここなら話を聞いてくれるかもしれない』って、探して来てくれるお客様が多いんだ」

私はまだ、電話対応と展示車両の清掃くらいしか任されていなかったけれど、相談スペースの奥から漏れ聞こえてくるお客様の声に、少しずつ耳が慣れていった。

「以前、支払いを延滞してしまったことがあって……」 「頭金がまとまった額を用意できないんですが」 「他の中古車販売店では、審査の話すら聞いてもらえませんでした」

そのたびに、野中さんや先輩たちは、急かすことなく、丁寧に相手の話を聞いていた。「絶対に大丈夫です」というような、無責任な言葉は誰も使わなかった。そのかわり、「まずはご事情を聞かせてください」「一緒にプランを考えましょう」という言葉が、何度も繰り返されていた。

五月のある日、初めて一人で相談対応を任されることになった。訪れたのは、栗東市から来た二十代の男性・優斗さんだった。工場勤務のシフトが不規則で、以前の携帯電話料金の支払いを一時的に滞納した経験があるという。

「どうせ無理ですよね……」

そう肩を落とす優斗さんに、私はどう声をかけていいか分からず、隣にいた先輩にそっと助けを求めた。先輩は優斗さんの状況を丁寧にヒアリングし、自社ローンを使った、頭金なしから検討できるプランを提示した。

「大丈夫ですよ。まずはお話を聞かせてください、というところから始めましょう」

その言葉に、優斗さんの表情がふっと緩んだのを、私は隣で見ていた。数週間後、優斗さんは無理のない返済計画のもとで、一台の中古車を手に入れて帰っていった。店を出るとき、彼は振り返ってこう言った。

「ここに来てよかったです。ありがとうございました」

そのとき、私は初めて、野中さんが言っていた「車を売ることが大事なんじゃない」という言葉の意味を、少しだけ理解できた気がした。


街から街へ、届いていく明かり

夏が近づく頃、私は少しずつ、一人で相談対応を任されるようになっていた。予約表に並ぶ地名を見るたびに、それぞれの街の暮らしぶりを想像するのが、いつしか習慣になっていた。

草津市の若夫婦

草津市から来店した若夫婦、拓海さんと絵里さんは、結婚を機に新生活を始めたばかりだった。二人で子育てをしながら、共働きで家計を支えていたが、絵里さんの産休・育休のタイミングと重なり、収入が一時的に不安定になっていた。

「この時期に車を買い替えるなんて、無謀かもしれないと思ったんです」

そう話す絵里さんに、私は当時の自分の経験も思い出しながら、じっくりと話を聞いた。信用回復ローンを軸に、頭金なしから検討できるプランを提示すると、拓海さんは驚いた様子でこう言った。

「他の中古車販売店では、育休中というだけで、話を切り上げられてしまったんです」

私たちの店では、収入証明の一時的な変動だけで一律に判断するのではなく、今後の見通しまで含めて、総合的にご相談いただける体制を整えている。そのことを丁寧に説明すると、二人の表情に少しずつ安心が広がっていくのが分かった。

大津市の職人

大津市在住の五十代の男性・信也さんは、長年、内装工事の職人として働いてきた。独立して間もない頃、資金繰りに苦労し、一時的にローンの支払いが滞った経験があった。それ以来、「自分は車のローンなんて組めない」と思い込んでいたという。

「もう十年近く前の話なんですけどね」

そう苦笑いする信也さんに、私は自社ローンの仕組みを説明した。過去の一点だけでなく、現在の仕事の安定度や、これからの見通しも含めてご相談できることを伝えると、信也さんは少し驚いた顔をした。

「そんな風に、ちゃんと『今』を見てくれるところがあるんですね」

最終的に、信也さんは中古車オークションで仕入れられた、荷物の積み下ろしがしやすいタイプの車両と出会い、無理のない返済プランで契約に至った。仕事道具を積んで大津市の現場へ向かう彼の後ろ姿を見送りながら、私はまた一つ、この仕事の意味を噛み締めていた。

長浜市からの長い道のり

夏の盛り、長浜市から来店した六十代の女性・久美子さんは、長年連れ添った夫を亡くし、一人暮らしを始めたばかりだった。これまで運転は夫に任せきりで、免許を取り直したばかりだという。

「こんな歳から、車を持つなんて、贅沢かもしれないけど」

久美子さんはそう言いながらも、通院や買い物のために、どうしても車が必要だと話してくれた。長浜市から守山市まで、電車を乗り継いでの来店だったという彼女に、私は思わず「遠かったですよね」と声をかけた。

「近くのお店にも行ったんだけど、なんだか事務的な対応で……。ここは、ちゃんと話を聞いてくれるって聞いたから」

年金収入が中心となる中でのローン相談だったが、収入の形態だけで一律に判断するのではなく、生活全体の見通しを踏まえてプランをご提案できることを説明すると、久美子さんはほっとした表情を見せた。頭金なしから検討できるプランの中から、彼女の生活スタイルに合った一台を選び、久美子さんは静かに、しかし確かな足取りで、長浜市への帰路についた。

東近江市の再スタート

秋が深まる頃、東近江市から来店した三十代の男性・大輔さんは、自己破産の経験を持っていた。数年かけて生活を立て直し、正社員としての仕事も安定してきたところで、通勤用の車を探しに来たのだという。

「自己破産した人間に、車のローンなんて組めるはずがないと思ってました」

そう話す大輔さんに、私は信用回復ローンという仕組みについて丁寧に説明した。過去の事情そのものよりも、現在の生活の安定度や今後の見通しを重視してご相談いただけること、そして頭金なしから検討できるプランがあることを伝えると、大輔さんの表情は少しずつ和らいでいった。

「ここまで、何軒も断られ続けてきたので……。ちゃんと話を聞いてもらえるだけで、救われる気がします」

数週間の相談を経て、大輔さんは無理のない返済計画のもとで一台の車と出会い、東近江市の職場へと新しい足を得ることができた。

甲賀市の家族

冬が近づく頃、甲賀市から家族連れで来店した健二さんと恵美さん夫婦は、三人の子どもを育てながら、慎ましく暮らしていた。山あいの地域ゆえ、公共交通機関の便が限られており、車は生活の生命線だった。

「頭金をまとめて用意するのが、正直厳しくて」

そう打ち明ける二人に、頭金なしから検討できる自社ローンのプランを提示すると、健二さんはほっとした様子でこう言った。

「他の店だと、頭金がないと話も進まなかったんです」

子どもたちが車内で楽しそうに走り回る姿を見ながら、恵美さんは「この子たちを、ちゃんと病院や学校に連れて行ける」と、静かに喜びを噛み締めていた。

湖南市の再挑戦

冬の終わり、湖南市から来店した四十代の女性・裕子さんは、離婚を経て、一人で生計を立て直している最中だった。以前、家計を共にしていた頃のローンの延滞履歴が、彼女の信用情報に影を落としていた。

「自分のせいじゃない部分もあるんですけど、それでもやっぱり、審査は厳しいですよね」

そう話す裕子さんに、私たちは信用回復ローンの仕組みを説明した。個々の事情を丁寧にお伺いしたうえで、現在の生活基盤や今後の見通しを踏まえてご相談いただけること、そして頭金なしから始められるプランがあることを伝えると、裕子さんは少しずつ表情を明るくしていった。

「まずは相談してみるって、大事なことなんですね」

湖南市の新しい生活に、裕子さんは一台の車とともに踏み出していった。

守山市の地元夫婦

そして忘れられないのが、地元・守山市に住む六十代の夫婦、正明さんと悦子さんとの出会いだった。長年、悦子さんが体調を崩しがちで、通院のための車が欠かせない生活を送っていたが、正明さんの定年退職に伴い、家計は年金中心へと切り替わったばかりだった。

「地元にこんなお店があるって、実は今まで知らなかったんですよ」

そう笑いながら来店した二人は、年金収入だけでローンが組めるのかどうか、強い不安を抱えていた。私は、収入の形態そのものよりも、これまでの生活実績や今後の見通しを踏まえて総合的にご相談いただけることを丁寧に説明した。頭金なしから検討できるプランの中から、悦子さんの通院に無理のない、乗り降りのしやすい一台を一緒に選んでいった。

「近所付き合いの中で、車がないと本当に肩身が狭くてね。これでまた、気兼ねなく出かけられます」

正明さんはそう言って、契約書にサインをした。守山市という、店にとっての「地元」で暮らす人々にも、こうして小さな安心を届けられることに、私はあらためて、この仕事のありがたさを感じていた。

こうして一年の間に、私は数えきれないほどのお客様と向き合ってきた。守山市、栗東市、草津市、大津市、長浜市、東近江市、甲賀市、湖南市――どの街から来店されたお客様にも、共通していたのは「まず話を聞いてほしい」という切実な思いだった。


私が迷った日

年の瀬が近づいたある日、私は初めて、大きな壁にぶつかった。

その日訪れたのは、複数の街を転々としながら生活してきたという、四十代の男性・和也さんだった。仕事の関係で住所を転々とし、収入も不安定で、過去には複数回のローン延滞歴があるという。話を聞けば聞くほど、私はどう提案すればいいのか分からなくなっていった。

「正直、俺みたいな人間、相手にしてもらえないですよね」

和也さんの言葉に、私はうまく言葉を返せなかった。頭金なしのプランを提示することも、信用回復ローンの説明をすることも、頭では分かっていた。それでも、彼の複雑な事情を前に、「本当にこの人に無理のない返済計画を用意できるのだろうか」という不安が、心の中で膨らんでいった。

その日の閉店後、私は野中さんに相談した。

「和也さんの件、どう考えても難しいケースだと思うんです。中途半端な期待を持たせてしまうのが、逆に申し訳なくて……」

野中さんは、しばらく黙って話を聞いたあと、静かにこう言った。

「難しいケースを、簡単なケースのふりをして扱う必要はない。でも、難しいからといって、話を聞くことすらやめてしまったら、それは私たちの仕事じゃなくなる。大事なのは、できることと、できないことを、正直に、丁寧に伝えることだと思う」

その言葉に、私は少し肩の力が抜けた気がした。

翌週、私はあらためて和也さんと時間をかけて話し合った。すべての希望を叶えられるわけではないこと、それでも現在の状況を踏まえて検討できる選択肢があることを、一つひとつ、正直に説明した。中古車オークションで仕入れられた車両の中から、価格帯を抑えた一台を選び、返済期間や月々の負担について、何度もシミュレーションを重ねた。

「無理な約束はできません。でも、一緒にできる範囲を探していきましょう」

そう伝えたとき、和也さんは少し驚いたような顔をして、それから小さく頷いた。

「そうやって、ちゃんと向き合ってもらえるだけで、十分です」

最終的に、和也さんに合った返済プランがまとまり、彼は一台の車とともに、新しい生活へと踏み出していった。この一件を通じて、私は「絶対」という言葉を安易に使わないことの意味を、身をもって学んだ。誠実であることは、時に厳しい現実を伝えることでもある。それでも、その先にある信頼こそが、この店が大切にしてきたものなのだと、私は理解した。


今日も誰かが笑った

一年が経ち、私はもう、新人とは呼ばれない立場になっていた。予約表に並ぶ地名――守山市、栗東市、草津市、大津市、長浜市、東近江市、甲賀市、湖南市――を見るたびに、この一年で出会った、たくさんの顔が思い浮かぶようになった。

優斗さんは今も栗東市から工場に通い、拓海さんと絵里さんは草津市で子育てに励み、信也さんは大津市の現場に車で通い続け、久美子さんは長浜市で穏やかな一人暮らしを送り、大輔さんは東近江市で新しい仕事に励み、健二さん一家は甲賀市で子どもたちの成長を見守り、裕子さんは湖南市で新しい生活を築き、そして和也さんも、少しずつ、自分のペースで生活を立て直している。

野中さんは、閉店後の静かな店内で、時々こんな話をしてくれる。

「うちみたいな店に相談に来るお客様は、たいてい、どこかで一度は『どうせ無理だ』って諦めかけている。だからこそ、私たちの役目は、審査を通すことだけじゃない。まず、『相談していいんだ』と思ってもらうこと。それが何より大事なんだ」

自社ローン、信用回復ローン、頭金なしのプラン――どれも、単なる金融商品の名前ではない。その一つひとつの奥に、誰かの「もう一度頑張りたい」という気持ちが詰まっているのだと、私はこの一年で知った。

中古車オークションで仕入れられる車両たちも、ただの中古車ではない。整備士さんたちが一台一台、丁寧に点検し、次の持ち主のもとで長く安心して走り続けられるように、手間を惜しまず整えている。その積み重ねがあってこそ、私たちは自信を持って、お客様に一台をお勧めすることができる。

守山市にあるこの店には、今日もまた、県内八つの街から、さまざまな事情を抱えた人がやってくる。頭金の心配をしている人、過去の延滞歴に不安を抱えている人、他の中古車販売店で断られた経験を持つ人――そのすべての人に、私たちができることは限られているかもしれない。それでも、丁寧に話を聞き、正直に向き合い、できる限りの選択肢を一緒に探すことだけは、これからも変わらない。

夕方、今日最後の来店予約のお客様を見送ったあと、私は展示スペースの窓から、夕陽に照らされる駐車場を眺めた。契約を終えたばかりのお客様が、新しい車に乗り込み、静かに走り去っていく。その後ろ姿を見送りながら、私はいつも同じことを思う。

――今日も、誰かが笑った。

それは、大げさな奇跡でも何でもない。ただ、真剣に話を聞き、正直に向き合い、一緒に考え続けた先に、自然と生まれる小さな笑顔だ。守山市、栗東市、草津市、大津市、長浜市、東近江市、甲賀市、湖南市――その笑顔は、今日もどこかの街で、静かに灯り続けている。

もし今、車のことで悩んでいるなら。頭金がなくても、過去にローンの延滞があっても、他の店で断られた経験があっても、まずは一度、話を聞かせてほしい。私たちは、絶対に審査が通るという約束はできない。それでも、一人ひとりの事情に向き合い、できる限りの選択肢を一緒に探すことだけは、いつでも約束できる。

カーマッチ滋賀守山店 所在地:滋賀県守山市大門町326番
電話番号:050-1722-3654
対応エリア:滋賀県全域、守山市・栗東市・草津市・大津市・長浜市・東近江市・甲賀市・湖南市
取扱プラン:自社ローン(頭金なし相談可)/ 信用回復ローン / 厳選中古車販売(中古車オークション仕入れ)

今日も、この小さな車庫から、誰かの新しい一歩が始まっている。

050-1722-3654

営業時間:完全予約制:お客様のご都合に合わせて調整いたします

スタッフ一同お待ちしております!