【山梨で静かに再出発した男性の話】自己破産後でも車は持てる。

「もう自分にはローンなんて組めない」

そう思い込んで、何年も動けずにいた男性がいました。

自己破産をしたのは20代後半のこと。当時は仕事も不安定で、カードの支払いや生活費の借り入れが膨らみ、気づいたときにはどうにもならない状態になっていました。弁護士に相談し、自己破産の手続きを経て、借金はなくなった。でも「信用がなくなった」という事実だけが、ずっと重くのしかかっていたそうです。

この記事は、過去に自己破産や債務整理を経験して「車のローンはもう無理だろう」と感じている方に向けて書いています。今まさに立て直そうとしている方が、次の一歩を考えるための情報をまとめました。

ある男性の話。止まっていた時間が動き出すまで

山梨県に住む30代のBさん(仮名)。20代で自己破産を経験した後、数年間はとにかく生活を立て直すことだけに集中していました。

転職を繰り返しながらも、ようやく安定した仕事に就けたのが30歳のとき。工場での勤務で、自宅から職場までは車で20分ほど。ただ、公共交通機関では通いにくい場所にありました。

同僚に乗せてもらったり、原付で通ったり。なんとかやりくりしていたものの、雨の日や冬場は本当につらかったそうです。「車がないとこの仕事を続けられないかもしれない」。そう思ったとき、初めて「自分でも車のローンを組めるのか」を調べ始めました。

でも、ネットで調べるほど不安が大きくなる。「自己破産したら5年は無理」「ブラックリストに載っている間はどこも貸してくれない」。そんな情報ばかりが目に入って、また動けなくなりそうだった。

それでもBさんは、あるとき一つの販売店に問い合わせをしました。LINEで、自分の状況を正直に伝えて。返ってきたのは、否定でも説教でもなく、「一度、お話を聞かせてください」という一言だったそうです。

信用情報とは何か。まず仕組みを知ることから

「ブラックリスト」という言葉をよく耳にしますが、実際にそういう名前のリストがあるわけではありません。

信用情報とは、クレジットカードやローンの利用履歴を記録している情報のことです。CIC、JICC、KSCという3つの信用情報機関がこのデータを管理しています。

自己破産や債務整理をすると、この信用情報に「事故情報」として記録が残ります。記録が残る期間は、一般的に5年から10年程度と言われています。この期間中は、銀行やクレジットカード会社のローン審査に通りにくくなります。

ただし、ここで大切なのは「永久に記録が残るわけではない」ということです。一定期間が過ぎれば記録は消え、信用情報はリセットされます。

そして、もう一つ知っておいてほしいことがあります。信用情報に記録が残っている期間でも、すべてのローンが組めないわけではないということです。

銀行ローン・ディーラーローン・自社ローン。3つの違い

車のローンには主に3つの種類があります。それぞれの特徴を整理してみます。

銀行マイカーローンは、金利が年1.5〜4%程度と低いのが特徴です。ただし、信用情報機関への照会が必ず行われるため、事故情報が残っている間は審査に通ることが難しい傾向にあります。

ディーラーローンは、金利が年4〜10%程度で、銀行よりは審査基準が緩やかだと言われています。ただし、こちらも信販会社を通すため、信用情報は確認されます。

自社ローンは、銀行や信販会社を通さず、販売店が独自の基準で審査を行う仕組みです。信用情報機関への照会を行わない店舗が多く、「今の収入」「今の生活状況」「今後の支払い能力」を重視して判断されることが特徴です。金利という概念はなく、車両価格に手数料が上乗せされる形になります。

ここで注意しておきたいのは、自社ローンの条件は店舗ごとに大きく異なるという点です。手数料の金額、保証内容、支払い回数などは、必ず契約前に確認してください。「自社ローンならどこでも同じ」ということはありません。

Bさんが最終的に利用したのも、この自社ローンでした。「信用情報ではなく、今の自分を見てもらえた」という感覚が、何より大きかったそうです。

車を持つことが、生活を立て直す仕組みになる

Bさんが車を手に入れたことで変わったのは、通勤だけではありませんでした。

まず、通勤が安定したことで、仕事を続けやすくなりました。天候や時間に左右されず、毎日同じ時間に出勤できる。それだけで、職場での信頼も少しずつ積み上がっていったそうです。

次に、通勤圏が広がったことで、「次はもっと条件のいい仕事にも挑戦できるかもしれない」という選択肢が生まれました。山梨県は車がないと行けない場所が多いので、これは大きな変化です。

そしてもう一つ。「毎月決まった金額を、きちんと払い続けている」という事実が、自分への自信になったと話してくれました。自己破産を経験すると、「自分はお金の管理ができない人間なのではないか」という不安がつきまといます。でも、毎月の支払いを積み重ねることで、「自分にもできる」という感覚を取り戻せたそうです。

もちろん、車を買えばすべてが解決するわけではありません。あくまで、生活を安定させるための仕組みの一つです。でも、その一つがあるかないかで、次に取れる行動の幅はまったく違ってきます。

よくある不安に、正直にお答えします

Q. 自己破産後、何年経てば車のローンを組めますか? A. 一般的には5〜10年で信用情報の記録が消えると言われています。ただし、自社ローンの場合は信用情報機関を通さない店舗が多いため、記録が残っている期間でも相談できるケースがあります。

Q. 債務整理の手続き中でも相談できますか? A. 相談自体は可能です。ただし、手続きの進行状況によっては購入のタイミングを調整したほうがよい場合もあります。まずは状況をお聞かせいただいたうえで、一緒に考えさせていただきます。

Q. 保証人がいなくても大丈夫ですか? A. 店舗やローンの条件によって異なります。保証人なしで対応できるケースもありますので、まずはお気軽にご相談ください。

Q. 頭金がゼロでも申し込めますか? A. 頭金なしでも相談可能な場合があります。車種や支払い条件を調整することで、無理のないプランを組めることもあります。

Q. 在籍確認の電話はありますか? A. ローンの種類や店舗の方針によって異なります。気になる方は、事前にお問い合わせいただければ対応方法をお伝えします。

Q. 家族に知られずに相談できますか? A. LINEでのやり取りであれば、ご自身のスマートフォンだけで完結します。来店時の対応についても配慮いたしますので、ご不安があれば事前にお伝えください。

Q. 支払いが苦しくなったときはどうなりますか? A. まずはお早めにご連絡ください。状況に応じて支払い方法の相談ができる場合があります。大切なのは、困ったときに一人で抱え込まないことです。

「断られるかもしれない」という不安について

最後に、一番大きな不安についてお話しさせてください。

「相談して、断られたらどうしよう」。そう思うのは当然のことです。過去に一度つらい経験をしているからこそ、また同じ思いをするのが怖い。その気持ちはとてもよくわかります。

正直に言えば、すべての方のご希望に応えられるとは限りません。状況によっては、今のタイミングではなく、もう少し準備をしてからのほうがよいとお伝えすることもあります。

でも、それは否定ではありません。「今の状況で何ができるか」を一緒に整理するところから始められます。相談したからといって、必ず購入しなければならないわけでもありません。

Bさんも最初は「LINEで聞くだけ聞いてみよう」くらいの気持ちだったそうです。それでよかったのだと思います。

まずは、今の状況を伝えてみることから始めてみませんか。

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