任意整理 車のローン|返済中の車はどうなる?手続き前に知るべき6つのポイント
2025/11/30
任意整理をすると車のローンはどうなる?残債がある場合の対処法を徹底解説
借金返済に悩んでいるけれど、車のローンがまだ残っている。そんな状況で任意整理を検討している方は少なくありません。通勤や通学、家族の送迎など、車が生活に欠かせない方にとって「任意整理をしたら車を失うのでは?」という不安は大きいものです。
当店カーマッチ愛知稲沢店では、これまで多くのお客様から「債務整理中でも車は持てますか?」「ローン返済中だけど任意整理したい」といったご相談をいただいてきました。実際に任意整理と車のローンの関係は複雑で、選択を誤ると大切な移動手段を失ってしまうケースもあります。
この記事では、任意整理を行う際に車のローンをどう扱うべきか、現場で培った知識と実例をもとに詳しく解説していきます。
任意整理とは?車のローンへの影響を理解する基礎知識
任意整理とは、債務者と債権者が裁判所を通さずに直接交渉して、借金の返済条件を見直す手続きのことです。主に将来の利息をカットしたり、返済期間を延長したりすることで、毎月の返済負担を軽減します。
多くの方が勘違いしているのですが、任意整理は「すべての借金を整理しなければならない」わけではありません。これが車のローンを守る上で非常に重要なポイントになります。
任意整理の対象は選択できるため、消費者金融やクレジットカードのキャッシングなど高金利の借金だけを整理し、車のローンは対象から外すことが可能です。当店のお客様でも、実際にこの方法で車を手元に残しながら借金問題を解決された方が何人もいらっしゃいます。
ただし、任意整理を行うと信用情報機関に事故情報が登録されます。いわゆる「ブラックリスト」に載る状態で、この期間は新規のローンやクレジットカードの作成が難しくなります。登録期間はおおむね5年間で、この間は新たに車のローンを組むことも困難になるため、現在の車をどう扱うかが重要になってくるのです。
任意整理で知っておくべき3つの特徴
- 裁判所を通さないため手続きが比較的簡単で費用も抑えられる
- 整理する債務を自分で選べるため柔軟な対応が可能
- 将来利息のカットにより総返済額を大幅に減らせる可能性がある
任意整理は自己破産や個人再生と異なり、財産を処分する必要がありません。そのため、適切に手続きを進めれば車を維持しながら借金問題を解決できる可能性が高い方法といえます。
車のローンを任意整理の対象に含めるとどうなる?
ここからは多くの方が最も心配される部分、車のローンを任意整理の対象に含めた場合について説明します。結論から言うと、車のローンを任意整理すると、ほとんどのケースで車は引き上げられます。
なぜこのようなことが起きるのでしょうか。それは自動車ローンの契約に「所有権留保」という仕組みが組み込まれているためです。所有権留保とは、ローンを完済するまで車の所有権がローン会社や販売店に残る契約形態のことです。
車検証を見ていただくと分かりますが、ローン返済中の車は「所有者」の欄にローン会社や販売店の名前が記載されています。つまり法律上、あなたはまだ車の「使用者」であって「所有者」ではないのです。
Q. 任意整理で車のローンを対象にすると必ず引き上げられますか?
はい、ローン返済中の車は引き上げられる可能性が極めて高いです。ローン会社は所有権を持っているため、返済が滞ったり任意整理の対象になったりすると、契約に基づいて車を引き上げる権利があります。引き上げられた車は売却され、その代金がローン残債に充当されます。売却価格が残債に満たない場合、差額は引き続き返済義務が残ります。ただし、ローン残債がわずかで一括返済できる場合や、家族が代わりに一括返済できる場合は車を残せる可能性があります。注意点として、引き上げ後の売却価格は市場価格より低くなることが多く、残債が思ったより多く残るケースもあります。
当店で実際にあったケースですが、ある30代の会社員の方が消費者金融からの借入200万円と車のローン残債80万円を抱えていました。この方は最初、すべてを任意整理しようと考えていましたが、車がなければ通勤できない状況でした。弁護士と相談した結果、消費者金融の借金のみを任意整理し、車のローンは対象から外して通常通り返済を続けることにしました。この判断により、車を手元に残しながら月々の返済負担を4万円から2万5千円に減らすことができました。
任意整理でも車を残す4つの方法
「任意整理をしたいけれど、どうしても車は手放せない」という方のために、車を残すための具体的な方法をご紹介します。
方法1:車のローンを任意整理の対象から外す
最も確実で一般的な方法です。任意整理は対象とする債務を選択できるため、車のローンは今まで通り返済を続け、他の借金だけを整理します。
この方法を選ぶ際の条件は、車のローンの返済を今後も継続できる見込みがあることです。任意整理後も車のローンは通常通り支払う必要があるため、整理後の返済計画に車のローン分を含めて無理なく返済できるかを慎重に計算する必要があります。
実際に当店のお客様で、クレジットカードのリボ払いと消費者金融の借入を任意整理し、車のローン月3万円だけは継続して支払い続けた方がいらっしゃいます。任意整理により他の返済が月2万円に減ったことで、合計月5万円の返済となり、以前の月8万円の返済より大幅に楽になりました。
方法2:家族に一括返済してもらう
ローン残債が比較的少額の場合、家族に立て替えて一括返済してもらう方法があります。ローンを完済すれば所有権が移転し、車を引き上げられることはありません。
ただし、この方法には注意点があります。弁護士に依頼した後に特定の債権者だけに返済すると「偏頗弁済(へんぱべんさい)」という問題行為とみなされる可能性があります。必ず弁護士に相談してから実行してください。
方法3:ローンを完済してから任意整理する
ローン残債が少なく、あと数か月で完済できる見込みがある場合は、完済してから任意整理を開始するという選択肢もあります。完済すれば所有権はあなたに移り、任意整理の影響を受けません。
この方法は計画的に進める必要があります。完済を待つ間に他の借金の利息が膨らむ可能性もあるため、弁護士と相談しながら最適なタイミングを見極めることが重要です。
方法4:別の名義で車を用意する
任意整理を行うと、あなた名義で新たに車のローンを組むことは5年間難しくなります。しかし、家族名義であれば車を購入したりローンを組んだりすることは可能です。配偶者や親の名義で車を購入し、実質的にあなたが使用するという方法も検討できます。
ただし、家族にも信用情報があるため、その方の収入や信用状態によってローン審査の結果は変わります。また、名義貸しと誤解されないよう、実態に即した使用形態を保つ必要があります。
車を残すための選択肢比較
| 方法 | メリット | デメリット | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| ローンを対象外にする | 確実に車を残せる | ローン返済は継続 | 返済能力がある人 |
| 家族に一括返済依頼 | 所有権が完全に移る | まとまった資金が必要 | 家族の協力が得られる人 |
| 完済後に任意整理 | 車の心配不要 | 他の借金の利息が増える | 完済まで数か月の人 |
| 家族名義で購入 | 新しい車が手に入る | 家族の信用情報を使う | 現在の車の価値が低い人 |
当店では、こうした選択肢について多くのお客様にアドバイスさせていただいています。状況によって最適な方法は異なるため、ご自身の収入、借金の状況、家族の協力体制などを総合的に判断することが大切です。
車のローンを残して任意整理する際の注意点
車のローンを任意整理の対象から外して車を残す場合、いくつか注意すべきポイントがあります。知らずに進めると思わぬトラブルに発展することもあるため、事前にしっかり理解しておきましょう。
まず最も重要なのは、車のローンの返済を一度でも滞らせてはいけないという点です。任意整理の対象から外していても、返済が遅れると契約違反となり、車を引き上げられる可能性があります。他の借金を整理して返済負担が減っても、車のローンだけは絶対に優先して支払う必要があります。
次に、弁護士や司法書士に依頼する際、車のローンを残したい旨を必ず最初に伝えてください。専門家は依頼を受けると各債権者に「受任通知」を送りますが、この時点で車のローン会社に通知が行くと、引き上げ手続きが始まってしまう可能性があります。車のローンを対象外にすることを明確に伝え、受任通知の送付先から除外してもらう必要があります。
Q. 任意整理後、車のローン以外の支払いが遅れたらどうなりますか?
任意整理後に他の返済が遅れると、車のローンに直接影響はしませんが、任意整理そのものが破綻する可能性があります。任意整理は債権者との合意に基づく契約なので、合意内容を守れないと債権者は合意を解除し、一括返済を求めてくることがあります。この場合、最悪のケースでは給与差し押さえなどの法的措置に発展します。車のローンは守れても、生活全体が破綻しては意味がありません。そのため、任意整理後の返済計画は無理のない範囲で立てることが重要です。万が一支払いが厳しくなりそうな場合は、早めに弁護士に相談し、再度返済条件の見直しを検討する必要があります。
また、車のローンを残す場合、毎月の返済総額をシミュレーションすることが欠かせません。例えば任意整理前に月8万円返済していた方が、任意整理で他の借金が月2万円になっても、車のローン3万円を加えると月5万円の返済になります。この5万円が本当に継続して支払える金額かどうか、生活費も含めて慎重に計算してください。
当店で相談を受けたあるお客様は、任意整理で他の返済が減ったことに安心して、車のローンの支払いを後回しにしてしまいました。結果として2か月滞納となり、ローン会社から車の引き上げ通知が届いてしまったのです。幸い、滞納分を一括で支払うことで引き上げは回避できましたが、非常に危険な状況でした。
さらに、銀行系のマイカーローンを利用している場合は特別な注意が必要です。銀行のマイカーローンと銀行のカードローンなど、同じ銀行グループで複数の取引がある場合、一方を任意整理すると相殺される可能性があります。例えばA銀行のカードローンを任意整理しようとすると、同じA銀行の口座が凍結され、預金と借金が相殺されることがあります。この際、A銀行のマイカーローンの引き落とし口座も使えなくなり、結果的にローン返済ができなくなるケースがあるのです。
こうした事態を避けるため、複数の金融機関と取引がある場合は、任意整理する債権者の選択に特に注意が必要です。弁護士に全ての借入先と口座情報を正確に伝え、最適な整理方法を提案してもらいましょう。
任意整理後に車が必要になった場合の対処法
任意整理を行った後、車のローンは組めるのでしょうか。残念ながら、任意整理を行うと信用情報に事故情報が登録され、その期間中は新たな自動車ローンの審査に通ることは極めて困難です。
信用情報機関への登録期間は約5年間です。この間、クレジットカードの作成や各種ローンの申し込みをしても、審査で落とされる可能性が高くなります。ただし、5年が経過し事故情報が消えれば、再びローンを組める可能性が出てきます。
では、任意整理後の5年間に車が必要になった場合、どうすればよいのでしょうか。いくつかの選択肢をご紹介します。
現金一括購入が最も確実な方法です。ローンを組まずに現金で購入すれば、信用情報は関係ありません。中古車であれば30万円から50万円程度で実用的な車を見つけることも可能です。当店でも、任意整理後のお客様に予算に合わせた良質な中古車をご紹介することが多くあります。
家族名義でのローン購入も有効な選択肢です。配偶者や親の名義でローンを組み、実際には本人が使用する形です。ただし、名義人が返済義務を負うため、家族間でしっかり話し合って決めることが重要です。
カーリースという選択肢もあります。カーリースはローンとは異なる契約形態のため、審査基準が異なる場合があります。ただし、リース会社によっては信用情報をチェックするところもあり、必ず利用できるわけではありません。また、月々の支払いはローンより高くなることが多いため、総支払額を比較検討する必要があります。
実際に任意整理から3年後に車が必要になったお客様がいらっしゃいました。この方は信用情報の回復を待つ余裕がなく、50万円を貯めて現金で中古車を購入されました。当店で状態の良い軽自動車をご紹介し、現在も問題なく通勤に使用されています。「ローンがないから気持ちが楽」とおっしゃっていたのが印象的でした。
任意整理を始める前にやるべき準備とチェックリスト
任意整理を決断する前に、必ず準備しておくべきことがあります。特に車のローンを抱えている方は、入念な準備が車を守ることにつながります。
まず、現在の借金の全体像を把握してください。どこから、いくら借りているのか、金利は何%か、毎月の返済額はいくらかを全てリストアップします。車のローンも含めて、すべての債務情報を整理しましょう。
次に、車のローン契約書を確認してください。ローン残債がいくらか、完済予定日はいつか、所有権留保の記載があるか、一括返済した場合の違約金の有無などを確認します。車検証で所有者が誰になっているかも必ずチェックしてください。
収入と支出のバランスも詳細に計算しましょう。任意整理後も車のローンを払い続けるためには、月々の手取り収入から生活費を引いた残りで、車のローンと任意整理後の返済を両立できるかが重要です。
- 月収(手取り)
- 家賃・住宅ローン
- 食費・光熱費
- 保険料
- 車のローン
- 任意整理後の返済予定額
これらを書き出して、本当に返済可能かシミュレーションしてください。
Q. 任意整理の相談は誰にすればいいですか?
任意整理の相談は弁護士または司法書士に行います。弁護士は金額に制限なくすべての案件を扱えますが、司法書士は1社あたり140万円以下の債務のみ対応可能です。相談先を選ぶ際は、債務整理の実績が豊富な事務所を選ぶことが重要です。多くの法律事務所では初回相談を無料で行っているため、複数の事務所で相談して比較検討することをお勧めします。相談時には、全ての借入状況、収入証明、車のローン契約書などを持参しましょう。車を残したい意向も最初に明確に伝えることで、それを前提とした提案をしてもらえます。注意点として、費用の安さだけで選ぶと、対応が不十分で思わぬトラブルになることもあります。実績、説明の丁寧さ、費用の透明性を総合的に判断してください。
家族にも相談しておくことをお勧めします。任意整理は家族の協力があるとスムーズに進むことが多いです。特に車を残すために家族名義での購入や一括返済の協力を得る可能性がある場合は、早めに話し合っておくことが大切です。
当店でも、任意整理を検討中のお客様から「どこに相談すればいいか」というご質問をよくいただきます。地域の法テラスや弁護士会の無料相談を活用するのも良い方法です。専門家の助言を受けながら、あなたの状況に最適な解決策を見つけてください。
まとめ:任意整理と車のローンは両立できる
任意整理と車のローンの関係について、重要なポイントをまとめます。
任意整理は対象とする債務を選択できるため、車のローンを対象から外せば車を手元に残すことが可能です。ただし、ローンを残す場合は今後も継続して返済する必要があり、任意整理後の返済計画に含めて無理のない金額かを慎重に判断する必要があります。
車のローンを任意整理の対象に含めると、ほぼ確実に車は引き上げられます。所有権留保により、ローン完済まで車の所有権はローン会社にあるためです。どうしても車が必要な方は、必ずローンを対象外にする選択をしてください。
任意整理を成功させるためには、専門家への早めの相談、全ての債務状況の正確な把握、現実的な返済計画の立案が欠かせません。車を残したい意向は最初から明確に伝え、それを前提とした解決策を提案してもらいましょう。
カーマッチ愛知稲沢店では、任意整理後のお客様や債務整理を検討中の方にも、状況に応じた車選びのサポートを行っています。現金購入での良質な中古車のご紹介や、ローン完済後の買い替えサポートなど、お客様一人ひとりの事情に寄り添った提案を心がけています。
借金問題は決して一人で抱え込まず、専門家に相談して最善の解決策を見つけてください。適切な判断と準備をすれば、任意整理をしながら車を守り、新しい生活をスタートさせることは十分に可能です。まずは現状を整理し、一歩を踏み出してみてください。
関連記事
任意整理後でも車は買える!自社ローンで実現する安心のカーライフ完全ガイド
◆ カーマッチ愛知稲沢店
愛知県稲沢市平和町須ヶ脇60番地
TEL:050-1808-2193
営業時間:10:00〜21:00(年中無休)
最寄駅:六輪駅/勝幡駅
送迎サービスあります。
◆ 公式リンク![]()
Instagram:https://www.instagram.com/carmatch.inazawa/
TikTok:https://www.tiktok.com/@carmatch.mj
YouTube(藤本社長):https://www.youtube.com/@4130FC-tu8ql
気になることがあれば、いつでも気軽にご連絡ください。
あなたの「ちょうどいい一台」を一緒に見つけます。

