未来へ走る、信じる力 ―― カーマッチ滋賀守山店と紡いだ、ある家族の物語 ――

【第1章】交差する運命 ―― 守山で差し込んだ一筋の光

滋賀県守山市。琵琶湖の湖畔から少し内陸に入ったこの街には、朝になると近江大橋の向こうから柔らかな光が差し込む。その光が、まだ拓也の心にはまったく届いていなかった。

拓也、三十四歳。かつて勤めていた会社の業績悪化のあおりを受けて収入が激減した時期があり、生活費の支払いが一時的に滞ったことがあった。今はもう完済し、真面目に働き直しているが、その時の記録は信用情報にしっかりと残っている。数字の上での「過去」は、簡単には消えてくれない。

「今回もダメでした。もう少し様子を見ていただけますか」

ディーラーの受付で、拓也は何度目かの丁重な断りの言葉を聞いた。悪気はないのだろう。審査を担当する人にとっては、数字を見て判断するのが仕事だ。それでも、断られるたびに、拓也の中で何かが少しずつすり減っていくのを感じていた。

車がなければ、仕事にも行けない。小学生になる娘の習い事の送り迎えもできない。妻のパートの都合がつかない日は、バスの本数が少ない地域だから、どうしても車が必要だった。守山市内でも郊外に住む拓也たちにとって、車は贅沢品ではなく、生活そのものを支える道具だった。

インターネットで「自社ローン 滋賀」と検索していたとき、ふと目に留まったのが「カーマッチ滋賀守山店」だった。自社ローンという言葉には、正直なところ半信半疑だった。甘い言葉で期待だけさせて、結局は無理な条件を突きつけられるのではないか。そんな不安もあった。

それでも、藁にもすがる思いで、拓也は店の扉を開けた。

出迎えてくれたのは、笑顔が印象的なスタッフの中村だった。中村は拓也を急かすことなく、まずは温かいお茶を出し、椅子に座るよう促した。

「今日はどうされましたか。まずはお話を聞かせてください」

その言葉に、拓也は身構えていた肩の力が、少しだけ抜けるのを感じた。多くの店では、開口一番に「年収は」「勤続年数は」と、数字ばかりを聞かれてきた。だが中村は違った。まず聞いたのは、拓也がどんな仕事をしていて、これからどんな暮らしをしたいと思っているか、ということだった。

「正直に申し上げると、過去に支払いが遅れた記録があって……。他のお店では、何件も断られました」

拓也が絞り出すようにそう言うと、中村は静かにうなずいた。

「そうですか。教えてくださってありがとうございます。うちの自社ローンは、信販会社の審査を通さずに、当店独自の基準でご相談に乗らせていただく仕組みです。もちろん、内容によってご希望に沿えない場合もありますが、まずは今の状況と、これからどう返済していきたいかを一緒に整理させてください」

「絶対に大丈夫」とは、中村は一度も言わなかった。その代わりに、「一緒に考えましょう」という姿勢を崩さなかった。それが、拓也にとってはむしろ信頼できる言葉に聞こえた。過剰な期待を持たせるのではなく、現実的に、誠実に向き合ってくれている。そう感じたからだ。

窓の外では、守山の街を行き交う車が夕日を反射していた。拓也は、この店でならもう一度やり直せるかもしれない、そんな小さな光を、初めて見つけた気がした。


【第2章】過去の影と、向き合う一歩 ―― 自社ローンという選択肢

翌週、拓也は再びカーマッチ滋賀守山店を訪れた。今度は仕事の休みを合わせて、じっくり相談するためだ。

中村はまず、拓也の家計の状況を丁寧にヒアリングした。毎月の収入、固定費、これから見込まれる支出。数字を一つひとつ確認しながら、無理のない返済額はどれくらいかを、拓也自身が納得できるまで一緒に計算していく。

「大切なのは、車を手に入れることがゴールではなく、その後の生活が苦しくならないことです。無理な金額でお車をお選びいただいても、後々つらくなってしまっては意味がありません」

その言葉に、拓也はハッとした。これまで自分は、とにかく「審査に通ること」ばかりを考えていた。だが本当に大事なのは、手に入れた車と共に、これからの暮らしをどう立て直していくかということだったのだ。

自社ローンの仕組みについても、中村は隠すことなく説明してくれた。信販会社を通さない分、店舗が独自にリスクを判断すること。金利や手数料の考え方。審査の際に確認する項目。良い面だけでなく、注意すべき点も含めて、正直に伝えてくれた。

「もちろん、どなたにも必ずご案内できるというわけではありません。ですが、単に信用情報の数字だけで判断するのではなく、今の状況や、これからのお気持ちも含めて、総合的にご相談させていただいています」

拓也は、これまで感じたことのない安心感を覚えた。過剰な期待を持たされることも、逆に頭ごなしに否定されることもない。ただ、対等な立場で、現実的な話し合いができている。それだけのことが、これほど心を軽くしてくれるとは思わなかった。

数日後、審査の結果を伝える電話が鳴った。拓也は緊張で手が震えた。

「拓也様、この度はお待たせいたしました。ご相談させていただいた条件で、ご案内が可能です」

電話の向こうから聞こえた中村の声に、拓也は思わず声を詰まらせた。結果を聞いた瞬間、これまでの断られ続けた記憶と、それでも諦めずに一歩を踏み出した自分自身への安堵が、一気にこみ上げてきたのだ。

「ありがとうございます……本当に、ありがとうございます」

電話を切ったあと、拓也はしばらくその場から動けなかった。これは魔法でも奇跡でもない。ただ、正直に事情を話し、現実的な返済計画を一緒に立てた結果だった。それでも拓也にとっては、久しぶりに「信じてもらえた」と感じられる出来事だった。


【第3章】初めての鍵、動き出す日常 ―― 琵琶湖沿いを走る歓び

納車の日は、よく晴れた土曜日だった。

カーマッチ滋賀守山店の店頭に並んだ一台の中古車。決して新車のような輝きではないけれど、丁寧に整備され、綺麗にクリーニングされたその車は、拓也にとって何よりも誇らしい相棒だった。

「点検記録簿もお渡ししますので、今後のメンテナンスの際にご活用ください。何か気になることがあれば、いつでもご連絡くださいね」

中村はそう言って、鍵を拓也に手渡した。その重みを手のひらに感じたとき、拓也の目には自然と涙がにじんだ。

家に帰ると、妻と娘が待っていた。娘は車を見るなり、目を輝かせて駆け寄ってきた。

「お父さん、この車、私たちの車なの?」

「そうだよ。みんなでお出かけしような」

その日の夕方、家族三人で早速、さざなみ街道を走った。琵琶湖沿いの道は、夕暮れ時になると空と湖面が同じ色に染まり、まるで境目がわからなくなるほど美しい。娘は窓を全開にして、風を受けながらはしゃいでいた。妻も、久しぶりに心から楽しそうな表情を見せていた。

これまでは、娘の水泳教室の送り迎えも、バスの時間に合わせて慌ただしく動く必要があった。雨の日には、傘をさしながらバス停まで歩く娘の後ろ姿を見るたびに、拓也は申し訳ない気持ちでいっぱいだった。

だが、これからは違う。車があれば、天候に左右されず、時間にも余裕を持って送り迎えができる。妻のパートの都合に合わせて買い物にも行ける。何より、家族で気軽に少し遠くまでドライブができる。それだけのことが、これほど生活を豊かにしてくれるとは、車を失っていた期間があったからこそ、拓也は身にしみて感じていた。

守山市内のショッピングモールに立ち寄り、家族で夕食をとった帰り道、娘が後部座席で眠ってしまった。ルームミラー越しにその寝顔を見ながら、拓也は静かにハンドルを握りしめた。

「ありがとうな」

誰に向けてでもなく、拓也は小さくつぶやいた。それは、車を通じて再び動き出した日常への、そして自分を信じてくれたカーマッチ滋賀守山店のスタッフへの、心からの感謝の言葉だった。


【第4章】不穏な足音 ―― 試される覚悟と突然の試練

新しい生活が軌道に乗り始めた矢先だった。拓也の勤務先で、取引先の経営不振のあおりを受け、部署全体の業務が縮小されることになった。残業代がほぼなくなり、月々の手取りが大きく減ってしまったのだ。

さらに追い打ちをかけるように、娘が体調を崩し、しばらく通院が必要になった。医療費こそ大きな負担ではなかったが、妻が仕事を休まざるを得ない日が増え、家計はじわじわと圧迫されていった。

「今月の支払い、大丈夫かな……」

深夜、拓也はリビングで家計簿とにらめっこしていた。通帳の残高を何度も確認しては、ため息をつく。真面目に働き、これまで一度も支払いを遅らせたことはなかった。それでも、状況が状況だけに、今月は厳しいかもしれないという不安が拭えなかった。

頭をよぎったのは、以前、他社で経験した苦い記憶だった。少し支払いが遅れただけで、事務的な対応をされ、まるで人間として見てもらえなかったあの感覚。「また同じことになるのではないか」という恐怖が、拓也の心を締め付けた。

「連絡しないと……でも、また責められるかもしれない」

その恐怖から、拓也はカーマッチへの連絡をためらってしまった。何も言わずに支払いが遅れてしまえば、これまで築いてきた信頼を裏切ることになる。頭ではわかっていても、あの苦い記憶がどうしても足を止めさせた。

数日間、拓也は誰にも相談できずに一人で抱え込んでいた。夜も眠れず、車のローンのことばかりが頭を巡る。せっかく取り戻しかけていた日常が、また崩れてしまうのではないか。そんな不安が、拓也の心を蝕んでいった。

妻がその様子に気づいたのは、ある夜のことだった。

「あなた、最近元気ないけど、何かあったの?」

妻の問いかけに、拓也はしばらく黙り込んだあと、ぽつりぽつりと今の状況を話し始めた。収入が減っていること、支払いが厳しくなるかもしれないこと、そして、それを誰にも相談できずにいたこと。

妻は静かに拓也の話を聞いたあと、こう言った。

「一人で抱え込まないで。まずは、正直に相談してみたらどう? あのお店の人たちは、あなたのことをちゃんと見てくれていたじゃない」

その言葉に、拓也は自分がまた「過去の恐怖」に囚われていたことに気づいた。カーマッチ滋賀守山店のスタッフは、これまで一度も拓也を数字だけで判断したことはなかった。それなのに、また同じ対応をされるかもしれないと、勝手に決めつけてしまっていたのだ。

その夜、拓也は覚悟を決めた。明日、正直に店へ連絡しようと。


【第5章】絆の証明 ―― 夜明け前の相談電話

翌朝、拓也は仕事に行く前に、思い切ってカーマッチ滋賀守山店に電話をかけた。受話器を持つ手が、少し震えていた。

「お世話になっております。実は、ご相談したいことがありまして……」

電話に出たのは中村だった。拓也は、勤務先の状況が変わり、収入が一時的に減っていること、それによって今月の支払いに不安があることを、正直に話した。話しながら、また責められるのではないかという恐怖が、心のどこかに残っていた。

しかし、返ってきたのは、まったく違う言葉だった。

「正直にお話しいただいて、ありがとうございます。まず、そういうご事情を早めに教えていただけると、こちらとしても一緒に対応を考えることができますので、本当に助かります」

中村の声には、責めるような色は一切なかった。むしろ、心から安堵しているような、そんな温かさすら感じられた。

「今の収入状況を踏まえて、少しお支払いのスケジュールを調整するご相談も可能です。一時的に金額を見直すこともできますし、逆に厳しい時期を乗り越えたあとに、少しずつ元のペースに戻していくといった方法もあります。拓也様の状況に合わせて、一緒に無理のない形を考えましょう」

拓也は、電話口で思わず目頭が熱くなるのを感じた。「一緒に乗り越えましょう」という言葉が、これほど心強く響いたことはなかった。

その日の午後、拓也は改めて店舗を訪れ、中村と詳しい話し合いをした。現在の家計状況、今後の見通し、無理のない範囲での返済計画。中村は決して急かすことなく、拓也が納得できるまで、何度も一緒に数字を確認してくれた。

「もちろん、絶対にすべてがうまくいくとお約束することはできません。ですが、状況が変わったときに正直に相談していただければ、その都度、一緒に現実的な方法を探っていくことはできます。それが、私たちが自社ローンという仕組みを続けている理由でもあります」

その言葉は、決して甘い期待を持たせるものではなかった。それでも、拓也にとっては十分すぎるほどの安心感を与えてくれた。

「単なる店とお客さんの関係」ではない何かが、そこにはあった。数字だけで判断されるのではなく、一人の人間として、状況の変化も含めて向き合ってもらえる。そのことが、拓也にとって何よりの支えになった。

店を出たあと、拓也は久しぶりに深く息を吐いた。空を見上げると、朝方まで垂れ込めていた雲が、いつの間にか晴れ渡っていた。


【第6章】守山の街に支えられて ―― 地域とつながる新たな夢

支払いの見直しをしてもらったことで、拓也の生活には再び落ち着きが戻ってきた。勤務先の状況も徐々に持ち直し、収入も安定を取り戻しつつあった。

その頃から、拓也の中にはある思いが芽生え始めていた。「車があるからこそできることを、もっと広げてみたい」という思いだった。

もともと拓也は、休日にDIYで家具を作るのが趣味だった。車を手に入れたことで、材料の買い出しや、完成した家具の配送も自分でできるようになった。友人にすすめられて試しにフリーマーケットアプリに出品してみたところ、思いのほか好評で、少しずつ注文が入るようになっていった。

「これ、副業として本格的にやってみようかな」

妻に相談すると、意外にも背中を押してくれた。「あなたが楽しそうにやっていることなら、応援するよ」。その言葉に勇気づけられ、拓也は週末を使って少しずつ活動を広げていった。

守山市内のマルシェイベントに出店する機会も増えた。地域の人々との交流の中で、拓也は同じように自社ローンを利用してカーマッチ滋賀守山店で車を手に入れたという人と出会うこともあった。互いの経験を語り合う中で、「あの店で車を持てたことが、人生の転機になった」という声を、拓也は何度も耳にした。

車は、単なる移動手段ではなくなっていた。それは、拓也にとって新しい挑戦を支える土台であり、人と人とをつなぐきっかけでもあった。守山という街に根を張りながら、拓也は少しずつ、自分の可能性を広げていった。

中村にその報告をしに店を訪れたとき、中村は心から喜んでくれた。

「拓也様のそういうお話を伺うのが、私たちにとって一番の励みになります。車を通じて、皆さんの生活が前向きに変わっていく瞬間に立ち会えることが、この仕事のやりがいなんです」

その言葉に、拓也は改めて、この店との出会いが自分の人生にとってどれほど大きな意味を持っていたかを実感した。


【第7章】もうひとつの出会い ―― 傷ついたシングルマザーの願い

同じ頃、カーマッチ滋賀守山店には、別の事情を抱えた女性が訪れていた。美咲、三十歳。三歳になる息子を一人で育てながら、草津市の職場までパートに通う日々を送っていた。

離婚をしてから、生活のすべてを一人で背負うことになった美咲にとって、移動手段の確保は切実な課題だった。バスの本数が少ない地域に住んでいることもあり、雨の日の保育園の送り迎えは特に大変だった。傘を差しながら息子を抱え、バス停まで歩く。びしょ濡れになりながら職場に向かう。そんな毎日の中で、美咲の心と体は少しずつ疲弊していった。

「車があれば、どれだけ楽になるだろう」

そう思いながらも、美咲には大きな不安があった。離婚に伴う生活の立て直しの中で、一時的に支払いが厳しくなった時期があり、それが信用情報に影響していたのだ。パート収入だけで、果たして車のローンを組めるのだろうか。そもそも、まともに相談に乗ってもらえるのだろうか。そんな不安を抱えながら、美咲はカーマッチ滋賀守山店の扉を叩いた。

対応したのは、拓也の相談にも乗った中村だった。美咲は緊張した面持ちで、これまでの経緯と、今の生活の状況を話した。

「ワンオペで育児と仕事を両立していて……正直、しんどいです。でも、車がないとどうにもならなくて」

中村は、美咲の話を最後までしっかりと聞いたあと、こう答えた。

「よくここまで一人で頑張ってこられましたね。まずは、今の収入と、これから無理なく続けられる支払い額を、一緒に整理させてください。すべてのご希望に沿えるとは限りませんが、できる範囲で最善の方法を考えさせていただきます」

その言葉に、美咲は少し肩の力が抜けるのを感じた。これまで、どこへ行っても「シングルマザーだから」「パート収入だから」という理由で、話を聞く前から難しい顔をされることが多かった。それだけに、まず状況をきちんと聞いてくれる姿勢が、何よりありがたかった。

たまたま同じ時間帯に店を訪れていた拓也は、待合スペースで美咲の話が聞こえてくるとはなしに耳に入り、かつての自分の姿と重なるのを感じていた。会計を終えたあと、拓也は少しだけ美咲に声をかけた。

「僕も以前、似たような状況でここに相談に来たんです。正直に話せば、ちゃんと向き合ってくれますよ」

見知らぬ拓也からの何気ない一言だったが、美咲にとってはその言葉が、大きな支えになった。同じような不安を抱えながらも前を向いている人がいる。その事実だけで、心が少し軽くなった。


【第8章】小さな手と大きな安心 ―― 守山店が灯したぬくもり

美咲との相談は、その後も丁寧に続けられた。中村は、美咲の収入と生活スタイルに合わせて、維持費の負担が少なく、なおかつ小さな子供を乗せやすい軽自動車をいくつか提案した。

「チャイルドシートの取り付けやすさや、乗り降りのしやすさも大事なポイントですよね。実際にお車を見ながら、確認していきましょう」

中村は、車の性能や見た目だけでなく、美咲の日々の暮らしに寄り添った視点で車を選んでくれた。燃費の良さ、車検や税金といった維持費の見通し、そして無理のない返済計画。美咲が納得できるまで、何度も一緒に条件を確認していった。

数週間後、審査の結果を伝える電話がかかってきた。

「美咲様、ご相談させていただいた内容で、ご案内が可能です」

その言葉を聞いた瞬間、美咲は思わず息子を抱きしめた。誰かに認めてもらえた、支えてもらえた。そんな安堵感が、胸いっぱいに広がった。

納車の日、美咲は息子を連れて店を訪れた。ピカピカに磨かれた軽自動車を前に、息子は目を輝かせながら中村に駆け寄った。

「おじちゃん、ありがとう!」

小さな手で中村の手を握る息子の姿に、店内は温かい空気に包まれた。美咲の目には、大粒の涙が浮かんでいた。

「本当に、ありがとうございました。これで、雨の日も安心して息子を保育園に送れます」

車を手に入れたことで、美咲の生活は大きく変わった。雨の日の送り迎えのストレスがなくなり、通勤時間も短縮された。何より、心にゆとりが生まれたことで、息子と過ごす時間の質そのものが変わっていった。

「前は、送り迎えだけで精一杯で、笑う余裕もなかったんです。今は、車の中で息子とたくさん話ができるようになりました」

美咲がそう語る姿を見て、中村もまた、この仕事を続けてきて良かったと、改めて感じていた。


【第9章】約束のバトン ―― 完済への道のり

季節はめぐり、拓也がカーマッチ滋賀守山店で車を手に入れてから、一年以上の月日が経っていた。

一度、収入減という試練を経験したものの、そのたびに正直に相談することで、拓也は一度も大きな遅延を出すことなく、支払いを続けてきた。もちろん、楽な道のりばかりではなかった。それでも、困ったときに一人で抱え込まず、店と対話を重ねてきたことが、拓也にとって大きな支えになっていた。

そして、完済の日が近づいてきた。

「あと少しで完済ですね」

ある日、店を訪れた拓也に、中村がそう声をかけた。拓也は、これまでの日々を振り返りながら、静かにうなずいた。

完済は、単にローンが終わるという以上の意味を、拓也にとって持っていた。それは、一度は失いかけた社会的な信用を、自分の手で少しずつ取り戻してきた証だった。毎月の支払いを続けるという、地道で、時に苦しい積み重ねの先にある景色だった。

「最初にここに来たときは、正直、どこかで諦めていたと思います。どうせまた断られるんだろうって。でも、ここで一歩踏み出したことが、僕の人生を変えてくれました」

拓也がそう話すと、中村は少し照れくさそうに笑った。

「私たちは、きっかけをお渡しすることしかできません。ここまで頑張ってこられたのは、拓也様ご自身の努力です」

その言葉に、拓也は首を横に振った。

「いえ、あのとき、誰も僕の話を聞いてくれなかった中で、中村さんだけがちゃんと向き合ってくれた。それがなければ、今の僕はいません」

最後の支払いに向かう日、拓也の胸には、これまでの様々な出来事が去来していた。断られ続けた日々、初めて鍵を受け取った日、支払いに困って眠れなかった夜、そして正直に相談することで乗り越えられたこと。すべてが、今の自分につながっている。そう実感しながら、拓也は店へと向かった。


【第10章】感謝のセレモニー ―― 信じ抜いたスタッフの涙

最後の支払いを終えたその日、店内ではささやかな小さな集まりが用意されていた。中村をはじめ、店のスタッフたちが拍手で拓也を迎えた。

「拓也様、完済おめでとうございます」

差し出された小さな花束を受け取りながら、拓也は言葉に詰まった。これまでの道のりを思い返すと、こみ上げてくるものを抑えきれなかった。

「本当に、ありがとうございました。この店に出会えていなかったら、今の僕はいませんでした」

中村もまた、目に涙を浮かべながら言った。

「こちらこそ、最後まで信じて、正直に向き合い続けてくださって、ありがとうございました。拓也様のような形で、お客様の人生の再スタートに立ち会えることが、私たちにとって何よりの喜びです」

派手な演出があったわけではない。それでも、そこには確かな絆と、積み重ねてきた信頼の重みがあった。数字の上での「完済」という出来事の裏には、一年以上にわたる、地道なやり取りと対話の積み重ねがあったのだ。

店を出るとき、拓也はふと店の看板を見上げた。「カーマッチ滋賀守山店」という文字が、これまでとは違って見えた。単なる中古車販売店ではない。人生の再出発を支えてくれる場所。拓也にとって、この店はそんな特別な存在になっていた。


【第11章】繋がる輪、広がる未来 ―― 守山から滋賀全体へ

拓也の副業は、その後も少しずつ軌道に乗り、今では地域のマルシェイベントの常連出店者として、多くの人に知られるようになっていた。美咲もまた、車を手に入れたことで生活に余裕が生まれ、パートの時間を増やしながら、着実に生活を安定させていた。

ある日、地域のイベント会場で、拓也と美咲は偶然顔を合わせた。あの日、待合スペースで一言二言、言葉を交わしただけの二人だったが、互いの近況を話すうちに、共通の経験が二人をつないでいることに気づいた。

「あのとき、声をかけてもらって、本当に励まされました」

美咲がそう言うと、拓也は少し照れながら答えた。

「僕自身、あのとき中村さんに支えてもらったから、伝えられたことなんです」

カーマッチ滋賀守山店を通じて出会った人々は、拓也や美咲だけではなかった。守山市はもちろん、栗東市や草津市、大津市、さらには長浜市や東近江市、甲賀市、湖南市といった滋賀県内の各地から、同じように「もう一度、生活を立て直したい」という思いを抱えた人たちが、この店を訪れていた。

それぞれの事情は違っても、共通していたのは、「過去ではなく、これからの生活を一緒に考えてくれる場所を探していた」ということだった。店を通じてつながった人々の間には、いつしか緩やかなつながりが生まれ、互いの経験を分かち合うような関係が育まれていった。

「今日も、新しいお客様がいらっしゃいましたよ」

ある日、中村がそう話してくれた。誰もが最初は、拓也や美咲と同じように、不安と緊張を抱えて店の扉を開ける。そのたびに、中村たちスタッフは、これまでと変わらず、一人ひとりの状況に丁寧に向き合い続けている。


【第12章】そして未来へ ―― 二人三脚で走る、終わらないストーリー

琵琶湖に夕日が沈む頃、拓也は家族を乗せて、いつものさざなみ街道を走っていた。助手席では妻が微笑み、後部座席では娘が楽しそうに景色を眺めている。

車のメーターは、これまでの道のりの分だけ、着実に数字を刻んできた。それは単なる走行距離ではなく、拓也たち家族が乗り越えてきた時間そのものの証だった。

同じ頃、少し離れた場所では、美咲が息子を乗せて、いつもの帰り道を走っていた。雨の日でも、もう傘を差して歩く必要はない。車の中から見る景色は、以前とは違って、穏やかで温かいものに変わっていた。

カーマッチ滋賀守山店は、これからも変わらず、様々な事情を抱えた人たちを迎え入れていくだろう。すべての相談が、必ずしも希望通りの結果になるとは限らない。それでも、一人ひとりの状況に正直に向き合い、共に考え、共に歩んでいくという姿勢は、これからも変わることはない。

「また何かあったら、いつでも相談してくださいね」

中村の言葉は、拓也にとっても、美咲にとっても、大きな安心材料であり続けている。過去にどんな事情があったとしても、これからの生活を諦めずに一歩を踏み出そうとする人に、寄り添い続ける場所がある。それが、カーマッチ滋賀守山店という存在だった。

守山の街を走る車のヘッドライトが、夕暮れの中に一つ、また一つと灯っていく。それぞれの車には、それぞれの物語がある。信頼を積み重ねてきた道のりがある。物語はここで終わらない。これからも、多くの人たちの新しい一歩が、この店を通じて始まっていくのだろう。


カーマッチ滋賀守山店について

カーマッチ滋賀守山店では、自社ローンによるお車の購入について、一人ひとりの状況に合わせたご相談を承っております。信用情報に不安がある方、頭金のご準備が難しい方も、まずはお気軽にご相談ください。審査内容やご案内できる条件は、収入状況やご希望によって異なりますので、詳しくは店舗スタッフまでお問い合わせいただくか、直接ご来店の上ご相談ください。

対応エリア:滋賀県守山市、栗東市、草津市、大津市、長浜市、東近江市、甲賀市、湖南市 ほか、滋賀県内全域からのご相談を承っております。中古車販売、中古車オークションを活用したお車のご提案、自社ローンでのお支払いプランのご相談など、それぞれのご事情に合わせて、スタッフが丁寧にご案内いたします。

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