カーマッチマガジン
自己破産と債務整理、どちらを選ぶべきか?—判断基準を徹底解説
2025/02/28
借金の返済が厳しくなったとき、多くの人が「債務整理」を検討します。しかし、その中でも「自己破産」と「その他の債務整理(任意整理・個人再生など)」のどちらを選ぶべきか迷う方は多いでしょう。
債務整理は、借金の負担を軽減するための法的手続きの総称ですが、その方法によって影響は大きく異なります。特に自己破産は「借金をゼロにできる」という強力な手続きである一方で、デメリットも少なくありません。
この記事では、自己破産とその他の債務整理の違いを詳しく解説しながら、どのような基準で選択すべきかについてお伝えします。
自己破産と債務整理の違い
まずは、自己破産と債務整理の概要を簡単に整理しておきましょう。
自己破産とは?
自己破産は、裁判所に申し立てを行い、借金をすべて免除(免責)してもらう制度です。借金の返済義務がなくなるため、経済的に再出発しやすくなるのが最大のメリットです。
ただし、持ち家や高価な財産(車や貴金属など)を手放さなければならない場合があるほか、一定期間、官報(政府の発行する公告)に掲載されるなどのデメリットもあります。
その他の債務整理(任意整理・個人再生)とは?
債務整理には、自己破産以外にも「任意整理」「個人再生」といった手続きがあります。
- 任意整理:弁護士や司法書士を通じて、貸金業者と交渉し、利息のカットや返済期間の延長などを行う方法。裁判所を通さずに手続きできるため、比較的手軽に利用できる。
- 個人再生:裁判所を通じて借金を大幅に減額し、3〜5年で完済する方法。住宅ローンがある人でも家を手放さずに済む可能性が高い。
自己破産と債務整理、どちらを選ぶべきか?
では、自己破産とその他の債務整理のどちらを選ぶべきか? これを判断するための基準を詳しく見ていきましょう。
1. 収入と返済能力を考える
債務整理の選択肢は、あなたの収入や返済能力によって大きく変わります。
-
借金を返済できる余裕がある場合 → 任意整理が向いている
例えば、「利息をカットすれば3〜5年で完済できる」程度の収入があるなら、任意整理を選ぶのが現実的です。ブラックリストには載りますが、財産を失わずに済みます。 -
借金を一部減額すれば返済できる場合 → 個人再生が向いている
「借金の元本を減らせば返済できるが、今のままでは厳しい」という場合、個人再生を検討しましょう。特に住宅ローンを抱えている場合、マイホームを守れる可能性があるのは大きなメリットです。 -
どう頑張っても返済の見込みがない場合 → 自己破産が適している
収入が低く、返済を続けるのが不可能である場合は、自己破産を選択するのが妥当です。借金の全額が免除されるため、生活を立て直すための第一歩になります。
2. 持ち家や財産を守りたいかどうか
自己破産をすると、一定以上の価値がある財産(持ち家や車、高額な預貯金など)は手放さなければなりません。
-
家を守りたい → 個人再生が向いている
個人再生には「住宅ローン特則」という制度があり、住宅ローンを払い続けることでマイホームを維持できる可能性があります。 -
家を手放してもいい、もしくはすでに持っていない → 自己破産でも問題なし
「とにかく借金をゼロにしたい」という場合は、自己破産を選ぶ方が負担が軽くなります。
3. 職業や資格への影響を考える
自己破産には、一定期間特定の職業に就けなくなるという制約があります。
- 弁護士・司法書士・公認会計士などの士業
- 警備員
- 生命保険の外交員
これらの職種に就いている場合、自己破産は避けた方がよいでしょう。一方、任意整理や個人再生であれば、このような制約はありません。
4. どれくらい早く解決したいか
手続きにかかる期間も、債務整理の種類によって異なります。
- 任意整理 → 数ヶ月程度(比較的短期間で済む)
- 個人再生 → 6ヶ月〜1年(裁判所の手続きが必要)
- 自己破産 → 6ヶ月〜1年(裁判所の審査があるため時間がかかる)
「すぐにでも借金問題を解決したい」という場合は、任意整理が最もスピーディーです。一方、自己破産や個人再生は慎重な手続きが必要となるため、一定の時間がかかることを考慮しておきましょう。
まとめ:どちらを選ぶべきか?
自己破産と債務整理のどちらを選ぶべきかは、状況によって異なります。
- 「借金はあるが、返済の見込みがある」→ 任意整理
- 「借金の一部を減額すれば返済できる」→ 個人再生
- 「どう頑張っても返済できない」→ 自己破産
特に「家を守りたい」「職業に制限がある」などの要素を考慮しながら、自分に合った選択をすることが大切です。
債務整理は人生を立て直すための手続きです。どの方法を選んでも、前向きに捉えて、新たなスタートを切ることが大切です。弁護士や司法書士に相談すれば、より具体的なアドバイスが得られるので、早めに専門家に相談することをおすすめします。