カーマッチマガジン
残クレは計画的に!新型コロナウイルスの影響で滞納する可能性
2020/06/11
残価設定型クレジット(残価設定ローン)というのをご存じだろうか?通称「残クレ」と言われ、新車をお得に買えるのが大きなメリットだ。そのため車を購入するときの選択肢として残クレを検討する人もいるだろう。
残価というのはいわゆる下取り価格のことで、残クレは数年後の残価をあらかじめ設定し、車体価格から差し引いた分を分割してローン返済する仕組みである。残クレで購入すると、通常と比べて50〜70%くらいの価格で車を買うことができる。
たとえば残クレを使って200万円の車を買ったとする。購入車の3年後の下取り価格が100万円だった場合、残価を差し引いた100万円を、3年ローンで支払っていく。
支払いが終了した3年後は、「そのまま買い取る・乗り換える・返却する」の3つから選ばなければならない。
残クレは「毎月の支払いがセーブできる」「乗り換えがしやすい」といった大きなメリットはあるが、もちろんデメリットもある。
そこで残クレのデメリットをいくつか紹介していく。残クレで車の購入を検討している方は、今一度チェックしていただきたい。
残クレは毎月の支払いが少ないから利息が高くなる
先にも紹介したように、残クレは通常の自動車ローンと比べても毎月の支払額を抑えられる。当然ながらローンには利息がかかるが、残クレは本来の車体価格(元金)に利息がかかってくることを知っておいてほしい。残価を差し引いた価格に利息がかかるわけではないので注意しよう。
毎月の支払いが抑えられるのはメリットだが、裏を返せばそのぶん元金の返済スピードは遅い。結果的に利息が高くなる場合もあるので、残クレは必ずしもお得というわけではない。毎月の支払額だけではなく、最終的な合計支払額をしっかりと把握してから、購入方法を考えてほしい。
メーカーごとに月間走行距離の制限がある
残クレは各自動車メーカーごとに上限が異なるものの、月間走行距離が制限されている。たとえば日産やホンダであれば、1,000km以内か1,500km以内を選択できる。トヨタの場合は支払い年数に応じて、2年で3万km以下から5年で7万5,000km以下の間で月間走行距離を選択する。
日ごろから長距離の走行をするなら特に、月間走行距離もチェックしておこう。
キズや凹みは残価の対象外になるケースも
購入時に下取り価格を保証される残クレだが、事故などによる車のキズや凹みは対象外の場合もあるため注意しておこう。車に修復歴がある場合、必然的に査定額が下がるためだ。最悪の場合、残価の支払いもしなければならない可能性もある。
また事故で廃車になり、車そのものがなくなった場合でも、残クレの支払いが続くこともある。さらに分割ではなく一括返済が必要になるケースもあるので、残クレで車を購入したら、事故はもちろん、キズや凹みにはより一層気をつけよう。
残クレはカスタマイズができない
車を購入したら自分好みにカスタマイズしたくなるが、残クレで購入した場合はカスタマイズはできない。 そもそも残クレは購入といっても自分のものになるわけではなく、リースに近い意味合いがある。平均して3〜5年乗ったあとにディーラーへ返却するかどうかが前提になるので、購入したときの状態を保ちながら管理していこう。
希望の車種への乗り換えはローンを完済してから
残クレは数年で乗り換えができるところもメリットのひとつだ。しかしローンの支払いがまだ残った状態での乗り換えは、購入したときと同じメーカーの車種を選ぶ必要があるため、選択肢が限られてしまう。
さらに支払い途中の乗り換えで違うメーカーを選びたい場合は、残りのローンを一括返済しなければならないことも覚えておこう。希望の車種に乗り換えたいなら、ローンの返済が終わってからがベストだ。
新型コロナウイルスの影響で支払いができなくなったら
クルマ離れが続く中、各メーカーのディーラーでは以前から残クレによって新車の販売台数を増やしてきた。
残クレは毎月の支払額を抑えつつ新車に乗れることで人気だが、実はこれがデメリットでもある。支払いが少ないぶん、残金が多く残っていることに気づきにくいからだ。
昨今の新型コロナウイルスの影響で、休業などにより収入が大幅に減った人も少なくないが、残クレの支払いが困難になるケースも出てくるだろう。
支払いが滞ると車を強制的に返却せざるを得ないのはもちろんだが、車はなくとも支払いだけが残るということになってしまう。
さらにはブラックリストに載ってしまい、以降はローンが組めなくなる。そのため残クレを利用する場合はよく検討し、余裕のあるプランを立てていこう。
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