カーマッチマガジン
夏本番を迎える前に知っておきたい、プロ目線の車メンテナンス徹底ガイド
2025/07/05
7月に入り、本格的な夏シーズンがスタートします。気温が高くなると、クルマへの負担も増大。快適なドライブはもちろん、万が一のトラブル防止のためにも、夏に備えた整備・チェックが欠かせません。ここでは、プロ整備士としての視点から、各部位ごとに「なぜ重要か」「どうチェックすべきか」「対策方法は?」を丁寧に解説します。
1. 冷却系統(ラジエーター・冷却水関連)
重要性とリスク
夏はエンジンへの負荷が増し、熱膨張によるオーバーヒートの危険が高まります。冷却系統が不調だと、エンジンの焼き付きや最悪の場合エンジンブローに至ることもあります。
⬛︎ チェックポイント
- 冷却水の量と濃度:定期的にリザーバータンクの液面を確認。蒸留水や専用クーラントで補充。
- ラジエーターキャップの劣化:気密性が低下すると冷却水が噴き出し、圧力不足に。点検と交換を。
- サーモスタットの働き:温度調節が滅茶苦茶だと、エンジンが過度に加熱→アイドリングが不安定に。症状があれば交換を検討。
◆ 対処・交換タイミング
- 走行距離10,000kmごと、または季節の変わり目の点検に組み込む。
- クーラントは2年または35,000kmを目安に交換。真夏の前には必須です。
2. エアコン装置
⬛︎ 重要性とリスク
真夏はエアコン依存度が非常に高いので、ガス漏れやコンプレッサー不良が命取りになります。
◆ チェックポイント
- エアコンの冷え:吹き出し口からの風が冷たくなければガス抜けやコンプレッサーの問題。
- 異音や振動:コンプレッサー駆動部から「キュルキュル」「ブーン」と異音があれば要点検。
- エバポレーターのニオイ・汚れ:カビや汚れで臭い・風量低下に。定期的なクリーニングが有効。