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【津波から命を守るために──車での避難は本当に安全か?】
地震が発生した直後、携帯電話やテレビに「津波警報」の文字が表示された瞬間、多くの人がとる行動のひとつが「車で避難する」ことです。
しかし、それは本当に最善の判断なのでしょうか。
津波は、地震発生からわずか数分で沿岸部に到達することがあります。
特に日本のように地震が多発し、海岸線が入り組んだ地域では、津波のスピードや高さは想像を超えることもあります。
実際、東日本大震災の際、多くの人が車での避難を試みましたが、渋滞にはまり、津波に巻き込まれて命を落とした事例が多数ありました。
まず考えておきたいのが、「車での避難=安全」ではないということです。
平時の感覚では、雨風をしのげて移動距離も稼げる車は頼れる存在に思えますが、災害時はむしろリスクを高めることがあるのです。
津波が押し寄せた場合、車は簡単に浮かび、流され、ドアが開かなくなります。水圧で窓を開けるのも困難で、逃げ場を失うことに繋がります。
では、どうすればいいのでしょうか?
最優先すべきは「高台への徒歩避難」です。
海岸近くに住んでいる方は、日頃から最寄りの避難場所やルートを確認し、「揺れを感じたらすぐ逃げる」ことを徹底する必要があります。
特に、道路が限られていたり、混雑が予想される地域では、車は使わないという判断が命を守る鍵になります。
一方で、車が避難に有効な場合もあります。
例えば、高齢者や障がいのある方、または子どもを連れて遠方まで避難する必要がある場合など、条件次第では車の活用も選択肢になります。
ただしこの場合でも、「渋滞しない道を選ぶ」「周囲と情報を共有する」「最悪は車を捨てて逃げる覚悟を持つ」ことが大切です。
また、津波が想定される地域では、車を高台や指定避難駐車場に移動させておく備えも有効です。
特に夜間の地震では、避難に必要な時間がよりシビアになるため、家族で役割分担や避難ルートを事前に確認しておくことも重要です。
災害は待ってくれません。そして、迷っている時間が命取りになるのが津波です。
だからこそ、「避難は歩きで」「車はあくまで補助手段」「まずは高台へ逃げる」の原則を、ぜひ家族や地域で共有しておいてください。
あなたの命、大切な人の命を守るために、今できる備えを。地震が起きたその瞬間、正しい判断ができるかどうかで、未来が変わります。